奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>斑鳩刹那さん
自信満々のユーリであったが、ゲームが開始されて暫くするとその表情に次第に焦りが見え始めていた。
通常のゾンビも途中までは体力が増えたとはいえ今まで通りにダメージが通るのだが、最後の一撃はシンクロショットでなければ倒せない。速度も今までとは比べ物にならない程に上昇しているので体全体ならともかく頭部をピンポイントにシンクロショットするのはかなり難しい。
そして極め付けはそよゾンビの数である。
何しろちょっとでもゾンビを倒すのに手間取っていると次から次へと湧いてくるのだから溜まったものではない。
刹那も相当な腕前ではあるのだがやはり個々の実力は高くても二人の完全な息のあった連携射撃というのはこの状況では難しいものがある。
『くっ!』
次第に後手後手になっていく射撃
ユーリも感じていた。
このままではいずれやられてしまう。
なんとかしなければ…………。
その時
ユーリにある名案が浮かぶ。
(『アレならいけるかも……。』)
それは以前テレビで見た事のあるワンシーン。
いつだったか見たスポーツ番組のスポーツ初心者を上級者のコーチが手取り足取りに指導する際の光景。
それはユーリもだが何より刹那にとってはかなり恥ずかしいかも知れない。
だが、この場を凌ぎ切るにはコレしか無かった。
『お願い刹那。協力して欲しい事がある。』
ゾンビを撃ち抜きながら刹那にそそくさと身体を寄せていくとユーリは刹那に一言そう告げる。
次の瞬間
ユーリは空いた手で刹那の外側の肩を自分の方へと引き寄せると刹那の銃口がブレない様に刹那の手と銃に自らの手を添えた。
当然その状態だと互いの顔が必然的に近くなる。
ユーリは刹那を背中から包む様な感じで支え銃を構えた方の手を刹那の顔の横から画面に突き出した。
『刹那。絶対にトリガーから指を離さないで。』
そう、ユーリが言っていたアレとはテニスの指導などである一人がもう一人の背中から動きを矯正するというモノだった。
だがコレは刹那にとってかなり恥ずかしいに違いない。
何しろこれだけの公衆の面前でカップル行為を晒している様なモノなのだ。
二人きりでするのとは訳が違うのだから。
体勢を取ったユーリ。
そこからは正に形勢逆転という言葉がお似合いの展開となる。
二人の照準カーソルが常に重なった状態。
まるで始めから一つしか無いのでは、と錯覚する程に2つの照準カーソルは完璧に動きがシンクロしていたのだ。
そしてユーリと刹那の反撃が開始されていく。
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