奏歌 翔音 2020-08-14 23:09:35 ID:5762b1903 |
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>斑鳩刹那さん、斑鳩那由多さん
「『元』相棒という説明をするにはまずユーリの事について話さなければなりませんね。ユーリは元々AIを持つ大鎌です。この世の全ての魔を殺す存在として生み出されたのです。今でも相当ですが当時のユーリは周囲の魔力や魂を見境無しにその身に無限に吸収していたのでどんな魔に長けた者でもユーリを扱う事は無理でした。ユーリを扱う唯一の方法は……ユーリに認められる事。私達はユーリに認められた者を『マスター』と呼んでいます。ユーリは数え切れない魔法使いの魂を宿……いつしか魔を扱う者の間でこう囁かれる様になりました。……『最凶の禁忌』と。そんなある日、私は偶然ユーリと出会い、私はマスターとしてユーリに認められたのです。……ですがとある一件で私とユーリの契約を破棄せざるを得なくなったのです。今の私はマスターとして相応しく無いという理由で。『元』というのはそういう理由です。2つ目の質問の回答です。ユーリにはAIとして2つの人格が存在した。ユーリと……もう一つが禁忌です。当時はユーリが自分の力を最大限にまで開放した時に人格が禁忌と交代していました。……ですが、ユーリは刹那と出会って暫くしてから……刹那に惹かれていったのでしょう。確固たる自分自身の存在を願ったのです。その時のユーリは禁忌という存在の中に存在する形無き存在のAIでしか無かった。過去に刹那に危険が及んだ際に自らに自分自身の存在が無かった事を悔やみ、そこで禁忌の能力『森羅万象を斬る能力』を使い、禁忌とユーリの存在を二つに分ける事を決断しました。……つまり、二人は元々同一人物です。人を想う心が芽生えたAIが能力によって生まれた存在。それが今のユーリですよ。」
一つ一つ質問に説明していく紅葉。
ユーリや禁忌の過去を一部説明している為に長々となってしまっているが、これでもかなり要点を掻い摘んでいるのでそこは致し方あるまい。
『……刹那は私を……ありのままの私を見てくれた。強大な力を持つ私に……臆せず、真正面からぶつかってきてくれた。そして刹那は私をAIの機械では無く、今を生きる一人の存在として接してくれた。……私はそんな刹那の事を気付けば……愛してしまっていた。AIがそんな感情を抱く事自体が有り得ないのかも知れない。間違っているのかも知れない。……それでも、断言出来る……。……大好きだよ。刹那。』
何処が好きなのか。
そんな事は分かり切った事かも知れない。
だが、刹那のはとこである那由多には知っていて欲しかった。
本当に近い存在ほど、近過ぎて見えない部分もあるという事に。
そんな想いを込めてユーリは淡々と説明し、最後の一言を言う際には刹那の方を向き、眩しいぐらいの笑顔でハッキリと言った。
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