ロキ 2020-07-12 22:45:10 |
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( 視線が重なり合った後、彼女が優しく微笑む。彼女との距離が近付いたかと思うと、無防備にもそのまま腕の中へと。正直なところ彼女なら承諾してくれるだろうとは思っていた。しかしまさか自ら飛び込んでくるとは。驚きに目を見開くも、彼女の声色に安堵の色を感じれば暖かな気持ちになり、自らもそっと腕を回して抱き寄せ、そのさらりとした長い髪に指を通しそっと撫でて。想像以上のうっとりするような触り心地に酔う間も与えず、意識は彼女の温もりや抱き心地、匂いへと傾いてしまう。自制心が働く内に彼女の肩を掴むと驚かさぬよう控え目に離し、言い聞かせるように忠告を )
…ありがとうございます。とても美しく綺麗な髪だと思っておりましたが、想像以上に良い触り心地ですね。…──ですがアヤナ様、あなたは少々無防備過ぎかと。自らこのようになさらずとも私が手を伸ばせば触れられる。
( 彼女からの行為が決して嫌なのではない。それはこの胸の高鳴りが証明している。だが線引きをしておかなければ、いつか恩人である彼女を傷付ける事になるだろう。彼女にとって己は耳や尾が生えた獣。それはペットと似たような感覚であり、この抱擁に特別な意味など無い事はよく解っている。だからこそ少しだけ危機感を抱いて欲しく、最後は彼女の細い腕を少し強めに握り、いつになく鋭い眼差しで見据えて )
曲がりなりにも私は男だという事をどうかお忘れなきよう。
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