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No.3
by 宵 2020-07-07 20:29:25 ID:aa3cde158
綺麗に燃える
自覚したのはいつだっただろうか。悪辣な聖女はいつの間にやら、するりと私の内側に入り込んで来ていた。それが手元に欲しいと感じていたのが恋情だと気づくのには遅すぎた。
他領の人間にすら無防備な、威嚇だけは得意なつもりで、でもそれに人を怯えさせるようなそれすら内包していない彼女を覆い隠すマントはあまりにも厚く、本質に触れることすら叶わなかった。
ツェント・エグランティーヌの戴冠式での奉納舞で、道を開けるために