>二条河原 物陰に潜んでいたのは君か。 ( 夜更けの埠頭に似つかわしくない呑気な声と跫音に振り返る。すぱり、葉巻を一度くゆらせた後、無機質な金属音と共にジッポを相手の口許へと掲げ「 ボルサリーノとは渋いな。で、何用だ? 」相手とは初対面、加えてこんな時間にこんな場所で出くわし火を貸す、そんな状況は偶然とは思えず真正面から探りを入れて )