奏歌 翔音 2020-06-11 11:08:38 ID:5762b1903 |
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>all様
【レーチェル(蘭花)キース(ナナ)】
テーマパークや遊園地には度々父親に連れられて来ていたのだが、今回は来場者として連れてこられた。
お祝い毎でもないこういった日は決まって夫婦の間に何かあったからと、キャベル家では相場が決まっている。
この間ひったくり騒動の時に出会ったルカと話していた会話で大体は想像がついていた。多分お父さんのせいだろうということはレーチェルの中で確証があった。
「ミラーハウスかぁ~。これは楽しみだなぁ……♪」
何があったにせよ今の時間は楽しもうと二人に気を使うようにして「しょうがないな…ふふふ」と含むような笑みを浮かべながらレーチェルはミラーハウスに足を踏み入れた。
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ミラーハウスの出口付近でレーチェルは目を見開いて硬直し我が目を疑った。
学校の風紀検査に引っかかてしまいそうなライトグリーンに染められた髪と、日焼けサロンで肌の色を定期的に維持している小麦色の肌をしたギャルがそこに映っていた。
「ものすごく不良な感じの女の子がいます……。これは……わたしなんでしょうか……??」
信じられない、奇想天外、摩訶不思議。明日の学校どうしよう…その前にお母さんに怒られたりしないかな? 様々な思考とあらゆる感情が頭の中でグルグルと駆け巡った。
お父さんとお母さんは何処へ。
「…ミラーハウス…恐るべし。こういう時は…落ち着いて迷子センターに…。」
この場でへたり込んでいる場合ではないとそう決意するも、半ば混乱状態でミラーハウスからフラフラとした足取りで迷子センターへと向かう。
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__一方その頃。
「ターナ!! レイ!! いるなら返事してくれ!!!!」
キースは走っていた。叫びながら全力疾走で。家族のこととなると感情的にならずにはいられないのがこの男の悪い癖だ。
『えー……お弁当に、おにぎり、お菓子に、お飲み物はいかがでしょうか~?』
「ちょっと貸せ!!」
『な、な、な、なんですか?!』
「づべこべぬかさずいいから貸せ!!」
『は、はいっ__!!』
露店販売をしていた男の店員の1人が小型拡声器メガホンあっけなく渡してしまう。というのも、話しかけてきたのはピンクの色がよく似合いそうな可愛らしい女性だったからだ。そんな女性から小突かれメガホンを奪われるも『あとで返しに来てくださいね?』と、鼻の下を伸ばし店員の男は内心満更でもないと言った様子であった。中身が中年のおっさんの男であったなら乱闘が勃発していたかもしれない。
「ターナ!! レイ!! どこにいるのだ!! 返事をしろ!!!!」
可愛らしい女性が男の口調で小型拡声器メガホンを片手に大声で叫びその場を駆け抜けて行く。
そんな異様な光景がそこにはあった。
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