認知症の祖父

初めまして。施設で働く通りすがりの介護士です。認知症と聞いて、知っていることをちょっとだけお話ししますね。施設とご自宅だと様子もちょっと違うと思いますので、こんな世界もあるんだーくらいにお耳を拝借。

先ず認知症というのはザックリ言うと脳の異常から起こる病気です。お家に強い執着を示すのも、怒鳴るって感情表現をするのもお祖父様の人柄と言うよりは病気の症状ではないでしょうか？施設を自分の家だと思い込み、なのに「どうして知らない人がいっぱいいるのか分からない」と癇癪を起こす方もいます。それまでニコニコしていたので挨拶したら「何でそんな事言うの！」と突然怒り出す方もいます。
記憶力、理解力、自己管理能力など様々な力が低下するのが認知症です。普通ヤカンが沸騰していたら誰だってそれを触ろうとは思いません。けれど認知症の人はそれが熱いこと、触ったら火傷をすることが理解出来ないこともあります。その方々は自分の信じる世界があって、こっちがどんなに正しいことを言っても信じて頂けません。その方の世界観を否定せずに付き合っていくことが大事。介護士はある意味役者なのです。
もう一つ大事なのは一人で抱えこまないこと。ご家族は特にそのご当人とずっと一緒に過ごしている為、精神的ストレスを抱えて疲れてしまう方もおられます。ご家族の方でもご近所の方でもその地域のケアマネさんでもいいので、理解者と協力者をつくって下さい。

なんて…長くなった上、結局何も解決していないのが申し訳ありません。文子様の不安が今後少しでも紛れることを願って。