とある設定厨(翠亞) 2020-05-27 18:59:10 |
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ウィアド:
――イングリット。
( 蒼い焔に包まれ陽炎の中心に立つナニカ。ソレから放たれる肌を打つような魔力は、彩銀石に頼らずとも感じられるほど。それに圧倒されている最中、暴力的な静寂へ零れ落ちた美しい一声に正常な意識を取り戻す。同時に、愛しいヒトがとてつもなく巨大な恐怖に押し潰されないよう、通常より幾分か低く、そしてよく通る声で静かに名を呼び、彼女を庇う様に一歩前に出た。ここで戦って死ぬことより、彼女を守れないことの方が万倍恐ろしい。ゆえに躊躇いなくシミターを抜いた )
???:
……我が涙は濁流となり、この大陸を呑み込むだろう。
( 涙は止め処なくはらはらと流れ落ちる。それでも声が歔欷に揺れることはなく、虚無の中に確固たる意志を感じさせる声音で、今ここに宣戦布告を。――否、それはナニカにとっては、戦いではなく蹂躙に等しいのかもしれない。ふとイングリットを守るように前に立ち塞がるウィアドへ注目すれば、何かに気付いたソレはあからさまに憤怒の色を目許に滲ませて。虚空を握るように手をかざせば、そこには赤い光の粒子が集まり、ほどなくしてそれは、中央に持ち手のある逆刃の両刃剣の形を成して )
まずは貴様からだ、忌々しい始祖の僕。
ウィアド:
お前が誰だが知らねえけどさ。訳わかんねー事言ってんなよ
( 軽口を叩くのは、鼓舞でも虚勢でもなく、純粋な挑発。理由こそ分からないが、ナニカの狙いが自分だけに向くのはむしろ好都合だ。アレの意識を自分に釘付けにしていれば、愛しい彼女を逃がす時間が稼げる。顎先が自身の右側の鎖骨に触れるか触れないかの角度で、頭だけでイングリットの方を振り向き )
アイツは俺が引き留めとくから、お前は先に逃げろ。心配すんなって、知っての通り俺は瞬足なんだ!
( 全ては彼女を安心させるため、口角と眦に笑みを浮かべる。その直後、獣の敏捷さでウィアドは地を蹴りナニカへ突進する。背後にいる愛しいヒトよ、どうかこの隙に逃げてくれと心から願いながら―― )
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