とある設定厨(翠亞) 2020-05-27 18:59:10 |
通報 |
月魔の、王?――はい。今までにないくらい、真っ赤に輝いていて…天地鳴動の厄災だって言っていたけれど、本当にその通りだわ。
(耳慣れない単語を舌で転がしては問いかけにこくりと頷き、腰に佩いた長剣を鞘越しにそっと撫でる。剣を手に取ることすらできなかったけれど、それでもあの光は鮮烈だった。身動きが出来なくなるほどの恐怖は今なおこの身に刻まれているが、人の温かさに触れた事で少しばかり記憶を辿る余裕も生まれたか、ナニカ――月魔の王が口にした言葉をぽつりと口にする。それから謝罪混じりの回答に小さく首を横に振り、問いかけには少しだけ考えるように視線を伏せて)
そう、ですよね。近くに居るのなら、戻って来てくれるはずだもの。
(長い時間を一緒に過ごし、身を挺してまで守ろうとしてくれた彼だから、自身を置いて村を離れるとは考え辛い。ならばやはり月魔の王に連れていかれたと考えるのが妥当だが、生憎と行き先に心当たりも無ければ、再び月魔の王とまみえる勇気も無かった。村は徹底的に破壊され、ウィアドは連れ去られ、にも拘らず自分だけがこうして無事に朝を迎えている。それが何かを意味するのか、あるいはただ運が良かっただけなのか――臆病風に吹かれているのは否めないが、それすらも分からぬままに無策で相対するのが最善だとは思えない。視線を上げてギドと視線を合わせれば、静かな、しかし確かに意志の強さを感じさせる表情で口を開き)
――ウィアドを探しながら情報を集めます。月魔の王も、その言葉の意味も、使用していた魔法陣も……わたしには、知らない事があまりに多過ぎるから。
(やるせなさを飲み込むように目を細めてそう言いきれば、不意に視線を村の方へと向けて眉を下げる。これからすべき事は数あれど、まずはそれを終えなければこの場所を離れる事などできるはずもない。死者を悼む行為は喪われた人のためでありながら、その実、誰よりも残された人のためのものでもあるのだから)
でも、まずはみんなを弔ってからですね。何も残っていなくても祈りを捧げることはできるし、それに――家とか教会のあった場所も見ておきたいので……。
トピック検索 |