とある設定厨(翠亞) 2020-05-27 18:59:10 |
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(顔を上げたまま何度か瞬きを繰り返せば、少しずつ視界は鮮明さを取り戻していく。こちらを見下ろすのは如何にも探検者と言った風貌の男で、歳の頃は両親が生きていればそれと同じか、それよりも幾分か若いくらいだろうか。大きなバックパックに揺れるランタンやマグカップが、どことなくかつての二人の姿を想像させて――だからこそ、彼のような人がトウィリト村を訪れた事が不思議だった。だって、生まれ故郷でもあるこの村には、両親を留め置くだけのものなど何も無かったのだから。しかしそんな些細な疑問は、彼が自分の名を正しく呼んだ事で一気に霧散し)
え、っと……はい。確かにわたしは、イングリットだけど…。
(名前を呼ばれた事もさることながら、男の口から飛び出した二人の名に僅かに目を見開く。旅道具が奏でる軽妙な音と共に嬉しそうに近づいてくる男は、両親の知り合いなのだろうか。テンションが振り切っている様子に圧倒されるように思わず頷けば、背中に走った痛みに僅かに眉を寄せたのに気付かれたか、あれよあれよと言う間に煎じた薬草で満たされたカップを差し出されて)
ありがとう――いただき、ます。
(まるで旧知の人物に相対するかのような男の振る舞いに気後れしつつも、馴れ馴れしくされる事への不快感は両親の名が出たことで幾分か緩和されており、おずおずとカップを受け取れば立ち上る香りから煎じられている薬草に当たりをつける。それからマグカップに口を付け、少しばかり舌先に乗せておかしなものは混ざっていなさそうだと判断すれば、一口、また一口と嚥下していって。お世辞にも美味しいとは言えないが、良薬口に苦しとはよく言ったもの。全て飲みきれば改めて目の前の男を見つめて、疑問に思った事をそのまま口にし)
ご馳走さまでした。――ところであなたは、父と母とはどう言った関係で…?わたしの事、立派になったって言っていたけれど…どこかでお会いした事が、あったかしら。
(/お気遣いありがとう。物語の登場人物紹介を読むのって好きだから、楽しみにしてる。初対面の人の名前が分からないのは当然だから、名前や、どんな人かを知っていく過程もまた楽しんでいきたいな。
――あとそれから、イングリットの両親に素敵な名前を付けてくれてありがとう。ぼんやりとした設定だけだった二人に命が吹き込まれたみたいで、すごく嬉しい!)
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