翠亞 2020-05-25 00:34:01 |
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轟音…すなわち、いかずちでありましょうな。霹靂も火柱も、月魔の王の溢れ出る力の残り香のようなものでござりましょう。その魔力出力を鑑みれば、空を裂く天災ですら、月魔の王には呼吸と等しき挙動に過ぎませぬ。
( 謎の羽根へと視線を落とす、その憂いた表情を横目で盗み見て違和感を覚える。村を壊滅に導き、相棒を攫った・或いは殺害したバケモノに対して、順当に抱くような嫌悪や憤怒や恐れ――君の表情はそういったネガティブなものからはかけ離れているように見えて。その事にも内心興味を引かれつつ、綴られる情報から澱みない推論を自身のデータベースから列挙して。 )
始祖の、僕?……、ふふ、ふ。嗚呼、可笑しい。
( ふと一つのキーワードが、凪いだ湖面に一石を投じる。落ち着き払った態度や表情を崩すことのなかった和風の女は、着物の袂で口許を隠しながら一瞬だけ瞠目し、すぐに堪え切れず零れてしまったようなニュアンスで肩を揺らす。その後、落ち着かせるように息を吐けば「 はしたない真似を、申し訳ござりませぬ。忘れて下さいますれ。 」と、いつもの調子で微笑んで見せた。 )
どうでもよいのならば、一思いに消し去るのが道理でござりましょう。事実この惨状、村の住人は徹底的に殺戮されておりまする。もし、目的を以って月魔の王がウィアド様を攫ったのであれば…彼に近しい貴女様をわざと生かしておくのは、交渉材料としての見込みがあると考えた故かもしれませぬな。
( 懐から取り出したのは、武器とも日用品ともとれる渋い鉄扇。和傘の下で隣に座した君の香りを近くに感じながら、バサリと広げたそれでごく小ぶりな仕草で首筋を扇ぐ。それだけでもふわりと漂うのは金木犀にも似た控えめな甘い香り。そうして、得心のいかぬ様子で小首を傾げる君、その愛らしい顔を意味深な視線でじぃと見つめれば、パチンと鉄扇を閉じてその切っ先を静かに君の手中にある羽根へと向けて )
提案、でござりまする。その黒羽根、少しだけわたくしにお貸し下さりますれ。わたくしとて研究者の端くれ、自らの足で調査に出向いて発見したサンプルを、分析してみたいと疼くのも性でありまする。それに、リディア様?貴女様とて、その黒羽根に――否、月魔の王に”只ならぬ”ご興味をお持ちでござりましょう?そのサンプルから得られるデータ、欲しくはありませぬか?
( もし渡せば、返してもらえる保証はない。拒めばどうなるか、それは誰にも分らない。女の手で鈍く光るのは鉄扇、揺らぎないのは優しげな微笑。 )
【 あはは、わざわざありがとう。返事が遅れてごめんね、これからもこうしてレスペにムラが出ると思う。でもどんなに遅くなっても必ず返事するから、気軽に待っててくれると嬉しいな。 / 返信不要 】
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