翠亞 2020-05-25 00:34:01 |
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……うふふ。愛(う)い方でござりまするな
( 着物の袖に隠れた手を口許に当て、微かに肩を揺らして吐息のような笑いを零す。律儀さだとか素直さだとか、率直にそんなものを君から感じ取れば、揶揄するでもなく本音からの感想を落として。そうして黒い羽根が君の手に渡るのを、細めた双眸でじぃと眺めるように観察して )
魔法陣、でござりまするか。流石は月魔の王、やはり一山いくらの獣たちとは格の違う事。――ウィアド、宿命の御子……成る程、得心でありまする
( 魔法や月魔に対しての深い造詣の片鱗を見せつつ、興味深そうに目を伏せて君の話に聞き入る。そうして挙がった一つの名前には、ぴくりと指先を反応させて短く吐息して。ともあれ君が名乗ってくれたのだから、こちらも礼を以ってそれに応えねば。わざと自分から自己紹介をしなかったとはおくびにも出さず、再度腹の前で手を揃えれば洗練された所作でしゃなりと頭を下げ )
リディア様、これは大変な御無礼を。わたくし、名をクレナイと申しまする。月魔や奇跡に関する探究解明を生業とする、一介の研究者でござりまする。昨夜――いえ。本日未明、過去に比肩するもののないほど凄まじい魔力濃度を感知し、調査のため馳せ参じた次第でありまする。
( 着物の袂から紅い和傘を取り出せば、折り畳み式の柄を伸ばして和風なパラソルに早変わり。それを近くにあった岩の傍の地面に突き刺し、岩をベンチに見立てればそっと手のひらを上に向けて君を招くように岩を示そう。女二人で立ち話も無粋と感じたゆえの行動で、もし君が座ってくれたのなら自身も隣へ腰を下ろそう )
被害状況として、トウィリト村は壊滅…生存者は多く見積もってたった2名。貴女様と、お連れの方でござりまする。恐らくウィアド様は、月魔の王に攫われたのでござりましょう。――不可解なのは、リディア様が命を奪われなかった理由でござりまするな。
【 うんうん、それを聞いて安心したし凄くワクワクが増したよ。いよいよ本編で初めて”月魔の王”というキーワードが出たし、本格的に物語が動き始めるね。それじゃあ一旦背後は下がるけど、また何かあれば遠慮なくいつでも声掛けてね。これから一緒に楽しんでいこう! 】
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