飼い主兼恋人 2020-05-23 19:41:18 |
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っ!?おい!
( 願いは届かず嫌な予感は的中した。目の前の彼は自身の家に匿うと言っていて。言わずとも巻き込んでしまうため断ろうと声を出そうしたとき、すっと身体が浮き困惑でいっぱいのまま手を引かれて。こんなの絶対に駄目だ。そう思い、何度も手を振り払おうとしたがそれは叶わず、それは体格の差から察せられ。途中で逃れようとするのを止め、考え込む様に口を噤んで。もちろん今でも彼を巻き込みたくない気持ちはある。しかし行く当てが無いのは本当で。この辺りの土地に詳しいであろう彼が隠れられそうな場所が無いと言っているなら本当に無いのだろう。彼を危険な目に合わせない事を誓い、自分に言い聞かせる様に少しだけ、本当に少しだけ甘えさせてもらう事にして。そんなこんなで彼の自宅だと思われるドアの前まで来てしまい。罪悪感が募ったまま、弛む気配の無い彼の手を見たあと、次に目をしっかり合わせ、噤んでいた口を小さく開いて。)
...なあ、本当にいいの。
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