飼い主兼恋人 2020-05-23 19:41:18 |
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はーん、知らず知らずに追われる身…ってわけな。事情は大体分かったが生憎そんな場所なんて……
( 実際に話を聞くと彼の状態にも合点がいった。割とすんなり現状を受け止めた言い方とは裏腹に『自分の息子保証人にしといて逃げるなんざどんな親だよ!』と逃げたという彼の両親に腹立たしさを覚えて無意識に眉を顰め。気の毒だとも思ったが自分ではどうすることも出来ない、ここは警察でも頼った方が――と打開案を提示しようとしたところで気付いてしまった……彼の手が震えてることに。つと手から顔へ目線を移せば、不安気な中にも強い意思の窺える瞳とぶつかり、言葉に詰まって。 )
…お前、行く宛てねぇんだったらウチに来な。そんな今にもぶっ倒れそうな面してる奴放って来たとあっちゃ寝覚めが悪くてしゃーねぇわ。
( 思えば公園での怯えたような瞳。頼る相手もいない中で相当怖いもしたのだろう。それでも、人に助けを求めて声を上げることもせず一人で窮地を乗り越えようとする危うさと、強く在ろうとする姿勢に惹かれるものがあった。無愛想な言い方も自分の家に来いという尤もらしい理由も、興味が湧いた彼を自分の目の届く所に置いておきたいという欲を隠す為の名目に過ぎない。言い終わると地面にへたり込んだままの猫を両脇を抱えて強引に立たせ、返事を待たずに手を引いて。 )
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