名無しの部族 2020-05-02 02:16:19 |
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(嵐の爪痕さえ緑が呑み込む森の中、満ち満ちる陽光と草熱れを腹一杯に吸い込みながら極彩色の鳥を駆る。へし折れた木々やツタに阻まれ滑空するそれへ抱き締めるように飛び掛かり、意気揚々と縊った所でふと細く響く声に顔を上げてはぐるりと辺りを睨めつけながらすぐ側のラワンの木へと。鳥かサルか、否。空に程近い枝を足場に俯瞰し、片手の獲物をつまみ食いしつつ耳を澄ませてみれば奇妙な鳴き声はどうやらこちらへ向かっているようで。カリコリ小骨を砕く音にも負ける薄っぺらな咆哮、乾いた亀より鈍いその足取りは死期の近い獣のそれだろう。それでも未だ見ぬ獣なら一目見なければ浮ついた腹わたが収まらない──そう頭ではなく無意識で思考し、前のめりに覗き見た葉陰から現れた"獣"に眼も瞳孔も見開いて『──トラ、』生存本能が真っ先に見出したその模様、その名を零せば応えるように縞を宿した指先がツッと天を刺す。瞬間爆ぜたのは好奇心かシャーマンの言うテンケイか、訳も分からず"獣"の目と鼻の先へと飛び降りては口元の血を拭うのも忘れてぐんと強く顔を上げ『──なあ、お前、何だ?』暫しの凝視の後、瞳は薄紫の丸模様に奪われ続けてもそれが獣ではなくヒトであると察した本能が嬉々と喉を震わせて。『16年、俺は16年も生きてる。草も獣も世界も全部知ってる。でも、お前みたいなのは初めて見た。何でだ?』『何で色が無い?』『トラ、殺したのか?こんなにひょろっこいのにか?』跳ねる鼓動にせっつかれてぐるりぐるり、品定めをする肉食動物の足取りで色褪せたような人間を眺め回し、スンスン鼻を鳴らす傍ら血濡れた牙を剥き出す笑顔で矢継ぎ早な問いかけを。その答えも待てぬまま赤い汁と羽根に汚れた手を伸ばし、どうやら模様ではなく薄い花弁か貝殻であるらしい目元のそれにベタ、と触れて)
(/すれ違いもガキンチョ扱いも大好きですし、背後共々いつかほんの少しでも振り向いていただければ十二分に幸せというスタンスですので、どうかお気遣いなく虎丸様らしいペースで仲良くしていただければ幸いです…!無論ばっちいもの扱いもご遠慮なく!
絡み文もありがとうございます、ローカル言語を話しているものとして台詞を『』で括っておりますが、こちらこそ読み辛い・やりづらい箇所がありましたらいつでもご指摘くださいませ!こちらの会話は蹴っていただいて構いませんので、改めてよろしくお願い致します…!)
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