偉大魔女の娘と白猫 2020-04-28 20:15:42 |
通報 |
>レイ様
「…僕は起きてるよ。お気遣いありがとうね」
声に反応し、瞼を上げてゆっくりと声の主を探る。気遣ってくれた優しい子はどんな子だろうと一瞥すれば、どうやらひとつ下の学年であることがわかった。表情を見るに、寝そべっていることが不思議なのだろう。
「君も一緒に寝る?意外と気持ちいいよ」
少し風当たりは強いけどね、と眉尻を下げて微笑む。ルー・ガルーでない限り、肌寒くて心地よいとはとても思えないだろうことは分かっていた。僕の体毛って結構暖かいんだよなどと冗談混じりに話し、一緒にどうかなともう一度誘う。
『ユング、本当にいいの?』
今度は鈴のような声が響く。本来なら此処でキャンプをしようと画策していたところを断念したとは言え、他の生徒に見られては不味いのでは…と相棒であるスーは心配していた。不安そうに淡い光が二人の間を行き来する。
トピック検索 |