案内人 2020-04-25 21:35:41 |
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ドアの向こうに母が居るのだろうか。否、そんなわけがない。体温が移り温くなりつつあるドアノブに手を掛けながら、瞳を強く閉じて首を振る。視覚を止め、何処からか漂う異臭に集中し、先程までの奇怪な光景を瞼の裏に映して自身を戒める。
子を心配する優しい母の声。家族全員で取る食事。扉を開けば、一家団欒の場。…そも、我が家がそんな関係だったのは遠い昔の幼い記憶の中だけのこと。父も母も、娘の大学について、世間からどう見られているかについてにしか興味を持っていないのだ。陥れようとしている誰かに、心の中で舌を出した。
それでも警戒が緩んだのは、家という場所に僅かながらも安穏を感じてしまったからだろうか。それとも矢張り人間らしい会話を求めていたのか───何方にせよ、気付いた時には既に返事を考えていた。ただしドアを開けられないようノブを押さえ、一枚隔てた向こうへと聞き耳を立てる。乾いた唇を一度湿らせた。
「 …ごめんなさい、もう少しで行きます。これが片付いたらすぐに行くから。」
部屋で勉強をしている、そんな普段通りの返事を。ただし、母親面をしている何者かが此方に敵意を持ち得る存在であることを危惧して、人間らしい単語はなるべく出さないように。それをしてしまったら、恐怖に弱った心がもう戻れなくなる気がした。
→ ドア越しに母親と会話する
(/ お返事有難うございます!本当に自由度は高いのですね…主様も楽しめているのならとても嬉しいです。あまり突飛な行動をして主様を困らせてしまわないようにだけ気を付けつつ、思うがままに進ませて頂こうかと思います!
ちなみにもう一つお伺いしたいのですが、二つの選択肢を組み合わせることは可能でしょうか?例えば今回の場合、クローゼットで侵入を妨害した後に窓から逃げる、等です。
わああそうなのですね!気になる!!折角やり直せるんだし危ない選択肢もどんどん選ぶぞーと意気込んでいたのですが、実際のホラーな空気に負けどうしても保守的になってしまいますね…。もし宜しければ話が一区切りした際にでも、過去の即死選択肢をぽろっと零してくだされば非常に嬉しいです。飽く迄願望ですのであまり気を留めずに…!
謎解き、伏線…!本体の頭が良くない故にかなりぐだぐだになって怪我なり何なりする予感がしますね、非常に楽しみです!まだ始まったばかりではありますが、既に終わりを色々と思い描いては胸を膨らませています。矢張り神隠し的なあれで浦島太郎的展開になるのでしょうか…うーん。)
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