か弱いアニヲタ 2020-04-01 23:54:23 |
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(卓上のスマートフォンが、低く震えた。この時間帯の着信、それも休日となれば、十中八九、警務関連の面倒ごとだろう。嫌な予感に眉をひそめつつもテーブルへと歩を進める。だが、振動していたのは公用ではなく、プライベート用の端末だった。──最近、こんな噂を耳にした。深夜、非通知番号から電話がかかってきて、通話に応じると一方的に“自分宛の音声”が再生される。それは時に叱咤であり、時に激励であるが、こちらが何を返そうとも応答はなく、ただ静かに音声だけが流れて通話が終わる、と。馬鹿馬鹿しい。──そう一笑に付したはずだった。だが、今このタイミングで非通知の着信を受けた自分は、皮肉なことにこの噂話を思い出し、眉間に皺を寄せる。信じてはいないが、まったくの嘘とも断言できない。期待とも、疑念ともつかない妙な感情を抱えながら、そっと受話ボタンを押した。音声が流れる。静かな声が、耳に届いた。それは俺の名を呼び、肩書きや過去を否定することなく、むしろ“そういう俺”を見つめ、認め、好いてくれる声だった。整った発音、途切れのない語り、抑えめなのに温度を含んだその音色は、明らかに録音だった。だが、それがどうしたというのか。今の俺にとって、それは些末なことだった。) ……やれやれ、深夜の怪談にしては出来が良すぎる。 (苦笑しながら呟く。録音のため、応答はできない。──それくらい分かっている。それでも、言葉を返したくなった。まるで、彼女が今もこちらを見てくれているかのように。) ……世間がどう喚こうと、俺のやるべきことは変わらない。それでも、貴女が見抜いてくれていたのだとしたら──少しだけ報われる気がする。(手元の端末を伏せ、ただ静かに声だけを置くように呟いた。) ……ありがとう。貴女の声は、確かに俺の心に届いた。これが一夜の夢だったとしても、それは確かに、俺の真実のひとつだ。 (そして、ひと呼吸。)おやすみなさい。貴女の夜が、安らかであることを祈っていますよ。
((遅ればせながら、今上映している映画でヒプマイにハマってしまってついつい一年前のコメントに返信を…笑 マットリの優勝も見届けました。))
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