吸血鬼と同居人(〆)

カーディス「他に調べたいことはあるか？」
（置いてある本は多いので今のうちに聞いて場所などを教えておいた方がわかりやすいだろうと尋ねて）

あ、あの、辞書とかはどの辺にありますか？読み解くのに、使う時に探したいので……(相手の問い掛けに思い出したように尋ねて。場所さえ覚えておけばそこに必ず片付けたりそこから取り出したりを自分だけで出来るからであり)

カーディス「あぁ、そうだったな。辞書は……ここだ。図鑑も置いてある」
(辞書や図鑑を置いた本棚までジェイスを案内し。取り出す時の利便性を考えられているのであろう、辞書や図鑑といった分厚い本は本棚の下の段に置かれていて取り出しやすくなっている)

ここですね、ありがとうございます！(相手から辞書や図鑑の場所について教えて貰えれば相手に教えて貰えた、つまり自分が魔法を覚えることを期待されている、そんな感覚を感じとり嬉しげに感謝の言葉を述べて)

カーディス「ふむ、出かけるまでまだ時間はある。少し魔法の練習をしてみるか？」
(日が暮れてから街へ出発しようと思っているため、日没までまだ時間があり、やる気になっているならと提案して)

っ、はいっ！(相手から魔法の練習をしてみないか、と提案されればパアッと明るい満開の花の様な笑顔を見せながら頷いて胸元で抱き締めてる初級魔法の本をギュッとより抱き締めて)

カーディス「では中庭へ出よう。こっちだ」
(嬉しそうな相手の様子に微笑みを浮かべた後、先導して中庭へ向かい。やがてやってきた中庭は広く中央には巨大な木が立っており、広がった枝葉の下に影を作っている。他は芝生が広がっており、運動するにはもってこいの空間になっていて)

わぁ…広い…！(相手の先導で中庭に向かい。向かった先には大きな木が中央に鎮座しており広い木陰があり、多少だが木漏れ日もあり、綺麗な芝生が広がる中庭を見れば目を輝かせて。勿論、ギルドに所属してた時に利用してた訓練所にも芝生を模した部屋はあったものの、それとは明らかに違う綺麗な芝生の広い中庭にキョロキョロと何処か嬉しげに見渡して)

カーディス「いいところだろう？　そうだな、まずは水の魔法を試してみよう。習得出来ればいざという時の飲み水の確保にも使えて便利だ」
(慣れた様子で日光に当たらないよう日陰を進み。嬉しそうにする相手を見て得意な気分になって)

はいっ！(相手から見易い位置に移動してそこで相手から貸してもらえた初級魔法の本を開いて水魔法の所を探して。幸いにも初級と言うこともあって絵付きで説明が書かれていて、分からない所も何とか絵による解説を見て両掌をお椀のようにしてそこに水を出そうとするも、やはり魔力の少なさと初めて扱う魔法と言うこともあり中々水が出てこず)

カーディス「ふむ……手伝おう。コツを掴めるかもしれない」
(なかなか上手くいかないジェイスの様子を見て少し考えた後、ジェイスに近づきジェイスの手に自分の手を重ね魔力を足そうとして)

あ、っ…(相手の手が触れ、ピクリと肩が揺れればそのまま相手の魔力が流れてきてはふと相手と身体を重ね合わせた時の記憶が思い起こされては顔を赤らめて身体が少し火照りだしていて。しかし、相手のお陰で掌に水が溜まってくれば相手と身体を重ねたときの記憶を思い出す程厭らしいと思われたくなく「わ、水だ…水出てきました！」と子どものようにはしゃいで)

カーディス「今の感覚を参考に練習してみたらどうだろう？　手を離すぞ」
(水が出てきたことを確認し、はしゃぐジェイスに微笑むととゆっくりと手を離そうとし)

っ、はいっ…(実のところ相手との身体を重ねた時の感覚が戻ってきてただけで手を離されれば案の定手から出る水は完全に止まってて。しかし、相手から期待をされている、そう思えば頑張れる気がしていて、必死になって何とか水を出す魔法のやり方思い出そうとして。そうしてればふと僅かに感じていた感覚を思い出してはそれを再現しようとして。そうすれば、魔力の少なさ故か片手だけで足りそうな量しか出なかったものの、相手の補助無しで水が出せて、パアァと表情を明るくさせ「や、やりました！カーディス様に教えてもらったお陰で出来ました！」と相手の方を見て嬉しげにして)

カーディス「あぁ、見ていた。よくやった」
(上手くいかなければまた別の方法も考えようとしていたが、無事魔法を発動させ水を出した相手を見ると微笑みジェイスの頭を撫でようとし)

ありがとうございますっ(相手に褒められ頭を撫でられればパアッと表情もより一層明るくなり、感謝の言葉を述べると同時に魔法で出した水を維持すること無く手を離して足元に溢してはまだ少し濡れている手のまま相手に抱き付いて)

カーディス「その調子で練習していけばもっと使いやすくなるはずだ。あぁ、だからといって無理はしてはいけない。魔力が尽きて倒れてしまうか、調子が悪くなってしまうから」
(ジェイスが濡れた手で抱き着くのも気にせずジェイスの頭を撫で。それから思い出したように魔法の練習時の注意を行って)

分かりました、カーディス様っ！(相手に撫でられれば嬉しげに撫で受けつつ撫でてくれてる手に頭を擦り寄せて尻尾を振り。相手からの忠告に頷き返すものの自分の魔力はどれほど位あるのか、なんてのは自分では理解しておらず、とりあえずいっぱい使えば分かるかな、なんて能天気に脳内で考えており)

カーディス「良い返事だ。張り切るのはいいが、無理はしないように。まだ本調子ではないのだから。休むことも重要だ」
(相手が元気な様子を見せていることは嬉しいが、無理をしているのではないかと心配になって)

っ…はい、畏まりました。俺の全てはカーディス様の仰せのままに。いつ何時にどんな命令でも、その言葉に従うことを改めて誓います(相手の無理をするな、という言葉に相手からの自分を心配している気持ちが伝わり、心が暖かくなる感覚を覚えれば先程まで相手のために早く覚えないと、と思っていた心はいつの間にか相手の命令はどんなものでも聞かなくては、と思うようになり嬉しげに微笑みながら胸元に初期魔法の本を抱いたまま両膝を地面につけ、相手の奴隷としての完全服従の文言をスラスラと伝えて)