2020-03-07 23:02:01 |
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男女の双子が忌み子として嫌われていた時代──双子の妹は男として幽閉されながら、毎日食事に毒を盛られつつ毒に対して耐性をつけたりと立派に育つ。時期当主として兄は期待され、甘やかされていた。
妹の存在意義は兄がもしもの時の為の影武者でしかない。そんな哀れな妹はこの現実を受け入れていた。それしか生きていく術は無い。
双子の兄は幼い頃から身体が弱く、何かある度に妹が兄の身代わりとして。帝王学を学び、色々な稽古漬けの日々。そんな時代の秘めやかな物語──
20歳になった双子の兄は現在、療養と称して屋敷の離で暮らしている。表にいるのはもちろん双子の妹。成長するにつれて嫌でも身体に女という証が顕著に現れる。妹は少しでも兄になりきる為に胸元をサラシで巻いて誤魔化す。幸いにも兄は声変わりをしても地声は高かったので、現在も兄として身代わりを続けられている。性格や仕草、癖。全てにおいて完璧に兄を演じきっている。妹が兄を演じているというこの事実を知っているのは隠している両親と兄の専属執事ただ一人。
幼い頃から兄として。男として育てられた彼女は、心だけは女を忘れなかった。本心はワンピースやスカートが好き。パーティーでは華やかなドレスを着てメイクや宝石で着飾り、女になりたい。それが本音だった。
妹は兄の身代わりで執事と初めて会った時、一目惚れする。今までもこれからも、兄として完璧に演じる。妹は執事が彼女を兄だと勘違いしている設定。
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