いろはにほへと * 〆 

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限界夢女子  2020-03-02 23:31:26 
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五十の音で夢を模りましょう。



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  • No.24 by ルーピン / ミア  2020-03-07 17:41:28 



>ひなの

ッ、エクスペクト・パトローナム!
( 廊下にまではっきりと届いたその声を直ぐに捉えることが出来たのは幸運という他なかった。もう少しハリー達のコンパートメントを出るのが遅れていれば、助けを求める声にさえ気づいていなかったかもしれない。慎重に進めていた歩みを一気に早くし、ややあってコンパートメント内部へ体の殆どを侵入させている吸魂鬼を見付けるや否や、迷わず其れへ杖の先を向けた。幸福な記憶と共に唱えたのは守護霊を呼び出す呪文。直後、眩い白色の光が一直線に目標まで向かっていくと、忽ち闇の様な体をぶつかる様にして通路の奥まで押しやった。「此処にシリウス・ブラックを匿っている者はいない」杖の先を向けたままはっきりとそう言い放てば、少しばかりの様子見の後吸魂鬼はゆっくりと窓から去って行った。それを見送るまでもなく即座に今し方襲われていたコンパートメントの中へ顔を向ければ、そこには恐らく幸福を吸い取られたのであろう、酷く怯えた顔をした少女と目が合った。ハリーと同い年か、一つ下くらいだろうか。可哀想に、泣いている。「助けるのが遅くなってしまってすまない。怖かっただろうに、よく声をあげてくれたね」大人でも恐怖で固まってしまうというのに、年端もいかない少女が吸魂鬼を前にして助けを求められたのは一重に彼女の強さのお陰で。となれば、謝罪の次に紡ぐべき言葉など決まっているようなものだった。少しでも安心をと、柔く微笑んでその勇気を称える。「もうあれは来ないから安心するといい。それから、これを食べなさい。少しは気分も和らぐだろう」次いで極めて慎重に距離を詰めれば、ポケットから取り出した半分ほどしか残っていない板のチョコレートを、まだ小さな其の手に握らせてやり。女の子というのはすべからく甘い物を好きだろうから、男の子のハリーよりも幾らか多めに。それで少しでも恐怖を和らげられたのなら良いのだが、と心配を胸に秘めながら彼女から離れた。吸魂鬼はもう特急内には居ないだろうが、車掌室に行く必要があるのは依然として変わらないのだ。「きちんと食べるんだよ」と念押ししてから再び個室の外に戻り、動かない汽車の通路を真っ直ぐに歩き出した。―――――――さて、そんなことがあった翌日。無事にホグワーツに到着し、無事に闇の魔術に対する防衛術の教師として全校生徒に紹介され、無事に運び入れた荷物を私室の中で整頓していた最中のこと。とんとんとドアを叩く音が聞こえ思わず整理の手が止まる。最初の授業も始まっていないのに一体誰が訪ねてきたというのだろうか?最低限の警戒として杖を持ったまま内から扉を開けると、視界に映ったのは特急内でチョコレートをあげた生徒の内の一人だった。ホグワーツに来て一番最初に話すのがスリザリンの生徒とはこれまた予想外だが、それはともかく。「君はホグワーツ特急で会った子だね。あげた物はちゃんと食べたかい?もしかして、まだ気分が優れない?」授業のことを聞きにくるにしては早すぎるし、昨日の今日で個人に興味を持ったというのもあまり考えられない。つまるところ彼女が此処に来た意図が今一上手く掴めないまま、取り敢えずと考え得る中で最も妥当な仮定を投げかけて )


>シリウス

ううん……こっちにもいない…
( 何処までも続く雪道を、先人が残した足跡を辿るようにしてゆっくり歩いていく。今日の天気に似た青い瞳を左へ右へきょろきょろと忙しなく動かしてみるが、風に揺られるたっぷりの赤毛は何処にも見当たらない。まさか五年生にもなって友達と逸れるだなんて思いもよらなかった。きっと同行者の彼女だって今頃そう思っている筈だろう。はあ、と零れ落ちた自責の溜息が白く宙へ溶けていくのも目にくれず、ざくざく踏みしめる音を鳴らしながらホグワーツの生徒で溢れかえる往来をふらふらと彷徨い歩く。三本の箒、羽ペン専門店、ハニーデュークス……一緒に行こうと約束していた店達の前を素通りしなければならない悲しみといったら、入学以来使っていた羽ペンが折れたあの瞬間に勝るとも劣らない。今日は書きやすくて壊れにくいものを買う予定だったのに、いざ当日を迎えてみれば必要なったのは友達の位置を示してくれる方位磁石だなんて!「早く見つけないと、」幸いにもホグワーツに帰らなければならない時間まではまだ猶予がある。―――はあ。今日何度目か分からない溜息を吐きながら左へと顔を振った矢先、視界に飛び込んできたのは店先のショーウィンドウに背を預けている見知った顔。女の子に囲まれていないとは珍しい、なんて感想が自然と出てくるほど彼、シリウス・ブラックはモテるのだ。その持て囃され振りといえば、私が声をかけるかどうかを迷っている其の少しの間に見知らぬ女の子数人が彼を取り囲んでしまうほどで。何やら一言、二言喋ったあと首を横に振って見せたのを察するに、一緒にホグズミードを回らないかと誘いの言葉を掛けられ、それを直ぐに断ったのだろう。彼は誰かを待っているのだろうか?もしそうなら其の待ち人は、ゾンコと名を掲げるその店の中にいるのかも。ええっと何を扱っている店なんだったっけ?確かに聞き覚えがあるはずなのに記憶を探っても思い出せないもやもやに苛まれながら、名残惜し気に女の子達が離れて行ったタイミングで人の合間を縫っていく。「ブラック!」何処かを見つめる双眸を此方に向かせるために、彼のファミリネームを一度呼んでから近付いて。灰色の瞳と無事視線を合わせられたなら「ねえ、どこかでリリーを見なかった?一緒に来たんだけど、何時の間にか逸れちゃったみたいで…」と早速本題を切り出そうか )


( / 早々に地中から失礼いたします。そちら様のロルについて申し上げることは何一つとして無いのですが、こちらが返事と初回を書くにあたってあれもこれもと詰め込んでいたら思いの外長くなってしまいまして…!!!恐らく徐々に短くなっていくとは思いますので、何卒よろしくお願い致します……!また、こちらも返しづらいなどの不備や気になる点がございましたら遠慮なく仰ってください。特に何も無いようでしたら此方背後の方は蹴ってくださいませ…!! )


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