執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>ラザロ
うむ…これは私も落ち着かない。
(己を見た彼の第一声、脅しともつかない言葉を此方も肯定し、自らの項をするりと撫でて手を下ろす。「…ああ、解った。気を付けよう。」その後に続いた注意に返事をした直後には、取られた手が引かれて彼の傍に足が動く。そこで改めて見上げる彼とは視線は合わず、だからこそその口から落ちる声に耳を確と立てる。そうして聞こえた、いつも豪快な彼から落ちた呟きに、胸が詰まるような心地を覚える。決して不快ではない。むしろ感じた事の無いそれは嬉しさに取って変わり、己の口元を弛めていく。「おっ…と、そうだな。何分、祭りというものに参加するのは初めてだ。だから、何があるかは曖昧にしか知らないが…」再び引かれる手。胸の詰まる感情の正体を確かめる前に、その歩みを彼と合わせて廊下を進む。「……ふむ。甘い匂いがするな。」鼓膜を打つ囃子の音が近付くにつれ、鼻先を擽った匂いに声を上げる。「ああ、まずはあれだ。林檎飴、というものが良い。」その匂いの中、唯一はっきりと覚えのあるそれを思い出して、それを彼に伝えた。)
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