執事長 2020-02-25 19:00:33 |
通報 |
>ウーミン
(納得してくれた。その事実にほっと息が洩れる。続いて、己の案を受け入れた彼女が自身の身を解いた為に、彼女の頭に添えた手は垂れ下がる。次いで繋がれた手に一度視線が向き、直ぐ様戻した先には嬉しそうに見える彼女の顔。「そうか。…ありがとう。」その表情に漸く此方の顔も綻んで、引かれるままに足を踏み出す。──が、その先は出入り口とするには不適当な窓。それが宙を撫でる彼女の手を介して開いた事にも、底の見えない高さから飛び降りんとする事にも驚いて一瞬後方に重心が寄る。…しかし、“信じて”と告げる彼女の顔に曇りは無く、月の光を負って広がる翼と夜風に流れる髪は、其処から飛べるのだと強く思わせるだけの幻想さを持っていた。「…ああ、行こうか。」だからこそ、そう応えた。見開いた目は緩やかに細まり、恐れの無い穏やかなその声音で信じると暗に告げる。それと殆ど同時、退きかけた足は前方へと床を踏み、彼女が居る窓枠へ乗り出すように静かに跳び上がった。)
トピック検索 |