執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>レオ
えへへっ。あなたならうーのこと、受け止めてくれるとおもったあ
( 力強く危なげなく、己が身を抱き止めてくれたことが嬉しくて。何よりヒトの温もりに捕食以外で触れられることは非常に稀で、頭上へ伸ばされた貴方の体温が自身に重なる事を期待し、その動きを目線で追う。だが、終ぞそれは髪に触れることなく止まってしまい、緋の双眸をぱちくりさせて「 …どおしたの? 」口許にはゆるゆるとした締まりのない笑みを浮かべたまま、少しだけ背伸びをして自分から貴方の手のひらに頭を摺り寄せて。そうして" にひひ、 "と無邪気に笑えば、貴方の真っ直ぐな言葉をしっかりと静聴して「 ああ、うん、そっかあ。たしかにね、こーやってあそぶとね、みんなすぐ動かなくなっちゃうの。 」合点がいった、とばかりに、至極素直にこくりと頷く。もしその場凌ぎの言葉で茶を濁されていれば、無邪気な怪物は瞬く間にその不誠実を見抜き、こうしてあっさりと理解を示すことはなかっただろう。するり、貴方の身体に回していた腕をほどいて数センチの距離を開け「 探検? 」代替案として挙げられたそれに、こてんと首を傾けては貴方を見つめ「 レオがしたいなら、うーもさんせいっ 」その体勢のまま、綻ぶように破顔しよう。そうと決まれば、さっと貴方の手を握り、引いて導く先は扉――ではなく、両開きの大きな窓。空中に手をかざすだけで、内側から錠を解き窓を全開にすれば、猫のしなやかさでふわりと窓枠へ跳躍し、手を繋いだまま振り返って「 いくよ、レオ。だいじょうぶ、うーをしんじて! 」月明りに照らされているとはいえ、周囲は闇夜に変わりなく。地上何階かも測れないほど高い位置にある貴方の部屋は、窓の下を覗き込んでも奈落の底すら見えないだろう。それでも、ボロボロの翼を目一杯広げた堕天使は、ただ無邪気に微笑んだ。吹き込んだ穏やかな夜風が、金色の長い髪をゆるやかに揺らして )
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