執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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私も、会えて嬉しい。勿論鱗を失くしてなどいないとも。大事に大事に、持っている。
ああ、わざわざ二人に声を掛けてくれたのか。ありがとう。では、今夜はウーミンと話をさせてもらおう。
今夜も、お互い楽しもう。
***
>ウーミン
(食事の心配も無く、する事の一つも無い。そんな状況に置かれて早数日。只ひたすら生きる為に動いてきた身体は未だそれに慣れず、手持ち無沙汰とばかりに部屋を彷徨く。…一人で出るなと言われたな。そんな事を考えては小さな呻きを零し、何とは無しにドアの方に顔を向ける。──と、その時。些か弱く曖昧だが、確かに其処を外から叩く音を耳が捉える。続け様、聞こえてきたのは幼さを感じさせる少女の声。その声が紡いだ自分の名と、初めに会った彼の名に、ぱっと表情に喜色が滲む。「ああ。…今、開ける。少し待ってくれ。」直後、調度品の方を向いていた足をドアへと転換して踏み出し、取っ手を握る。躊躇いも無く開けたドアの先、広がっていたのは見事な金色。それから、「……翼。」鱗をくれた彼とは違う、多少見慣れた鳥のような。だが、こうして人の形をしたものからは生えている筈の無い羽。示した興味をぽつり呟いて、数秒それを見詰め──はっと我に返る。「っと…すまない。少し、驚いてしまった。」詫びの言葉を枕にしつつ、彼女の緋色と視線を交わらせる。「君は、彼の友人かな。勿論良いとも。」彼女の輝きに釣られたように此方も笑んで答え、しかし直ぐに眉を八の字に下げる。「ただ、私は遊びというものに疎い。だから、君がしたい遊びを教えてくれるかな?」己よりも幼く見える少女と丁度目線が合うよう少しばかり屈み、恥も無く只純粋な想いとして彼女に遊びの教えを請うた。)
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