執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>ギンハ
確かに片付けちゃうの、勿体無いかもっ。ギンハ様の初体験をもらった記念に飾っておかないとね!(勝手なイメージであるが、厳格で綺麗好きな印象を持っていただけに、持ちかけられた提案には目を白黒させ、つい無遠慮にも見つめ返してしまった。不意に感じた頬に触れる柔い毛先に、擽ったさから片目を瞑り、無意識に口元が緩んでしまう。反射的に小さな手を伸ばし、毛並みを整えるように尻尾の表面を撫でつつも、発せられた言葉の意味を吟味して。その真意、彼からの気遣いをも理解した頃には表情は一転、晴れ晴れしいものへと早変わり。パチン、と掌を打ち合わせ出された意見に賛成の意を示すと、早速とばかりに散った色紙を拾い集め、先程机の上に置いたばかりの木箱の中へしまい込む。冗談交じりに付け足した言葉は、強ち嘘でもない。だって彼と過ごした思い出が、そのモノに残るのだから。いずれは色褪せてしまおうとも、今この時に感じた楽しいという気持ちは本物。モノには魂が宿るというが、いつかこの飾りを誰かが見て自分と同じように楽しい、とそう思ってくれたらいい。ふふ、つい漏れた笑いはまだ見ぬ誰かに向けたエール。「どう?驚いた?」まるで陶酔する様に絵画へ視線を落とす様子は、絵描きならば誰もが舞い上がってしまうほど嬉しい反応だ。したり顔で笑い、彼の横にぴったりとくっついて一緒に絵を覗き込む。楚々として咲くプルメリアの花に指を伸ばし、ザラリとした絵の具の感触を楽しむようにひと撫で。「この花、ギンハ様にピッタリでしょ?確か…花言葉は気品、とかそんな感じだったかな。花屋のお姉さんが教えてくれたんだっ。いつか月の下を散歩して、僕が大人になったらギンハ様がおススメする美味しいお酒を一緒に飲むのが夢なんだっ」娯楽など何もない小さくて素朴な町。そんな町に一軒しかない花屋もそれは小さなもので、訪れる客も知れたもの。おそらく常連組であった何やら訳ありの自分に、彼女は親切心から色々なことを教えてくれたのだろう。その一つが、花言葉。自分には到底縁のない言葉だったが、何故だか凄く印象に残ったのだ。過去を巡り、やがて思いは未来へ。するりと口を滑り出し語られたのは夢物語。それも衣摺れの音とともに彼がしゃがみ、目線が合うことで夢語りは幕を閉じ終演をむかえる。「もちろんっ!むしろ飾ってくれないと拗ねる所だったよ!」大きく頷き、にっこり笑顔で了承を。徐に取り出された天鵞絨色の巻物に興味深げに視線を注いでいると、彼に似つかわしくない交換こという妙に可愛らしい響きが聞こえ、きょとりと瞬きを数回。思わず巻物と彼の顔を視線は行ったり来たりしてしまう。上等な代物であろうそれに、恐々と両の手を伸ばすと押し戴くように胸元へと抱え。紐を解き、縦に開くと乾いた紙の音が鳴る。白い紙には難しい漢字が記されていた。素人目でも分かる、流麗な文字の流れ、バランスのとれた書体は美しいの一言。「…う、うわーん!ギンハ様、ぼく、僕嬉しいやっ!ここに来て僕の宝物がいっぱい出来ちゃった…!何でだろう…、嬉しくても泣いちゃうんだねっ…。」思わず、瞳に涙が滲んだ。どうしてこんなにも暖かいのだろう。触れる彼は冷たいはずなのに、込められた思いは熱く自分を空っぽではない、特別な存在にしてくれる。掌で目を覆い、溢れてくるものを抑える。ありがとう、ポツリと零された言葉は涙が枯れるまで幾度となく繰り返され彼へ感謝の念を伝えて。泣いてしまった目は少し赤くなり熱を孕んで腫れぼったい。それがちょっとばかり気恥ずかしく照れ笑いを浮かべては「へへ、ごめんね。嬉しすぎて感情が爆発しちゃった…!これ、どう読むの?どういった意味だろう?教えて、教えて!」誤魔化すように矢継ぎ早に彼へご教授を願って)
今日は久し振りに話せて楽しかったや、有難う!多分、次の返事を待ってる間に寝ちゃいそうだから今日はこの辺りでお暇させてもらうねっ。
なんとかギンハ様にプレゼント渡せて良かったよ!ふふ、お部屋にも飾ってくれるって!それに、贈り物を貰えると思ってなかったから、すごーく嬉しかった!ありがとうねっ。
今晩は楽しい夢が見れそう。お休み。君にも幸せな夢が訪れますよーにっ。
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