執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>リーパー(>>1203)
(美味しい。美味しい、おいしい、ノドがカユくない。一心不乱に手首へ吸い付きながら思考を埋め尽くすのはそんな純粋で苛烈なまでの刺激で、ああ生きていると感じる。彼から香るヴァンパイアの匂いも今は気にならない、そんな事よりこの鮮血の美味しい事といったら。無意識の内に瞠られた双眸からはポロポロと冷たい涙が数滴零れ落ちては頬を伝って、もっともっとと欲しがり疼く牙のままに吸血を止める事はできず彼の制止の声も耳に届かなくて。ぐ、と離れていってしまうような力を知覚した瞬間、取り上げられちゃう、と幼稚な警告が脳から直接逃がすなと指令を下してぐっと腕を掴む手に力を加え「 らいじょうぶ、まら死なな゙いから゙ 」大量の血液を飲み下そうとする力と、涙を流しながら上目遣いに言葉を発する力とが相反してゴボゴボと気泡の混じり合うような音と共に声にも濁りが生じる。そう、彼は殺すなと言った。命さえ残せばいいのだ、自己中心的な解釈のままに不完全な吸血鬼は生き血を啜り続けて)
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