◆ 2020-02-02 20:14:34 |
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( 無理して気丈に振舞っているような様子はいつもと変わらぬ表情からは感じられず、言葉の通りに受け止めるとそれ以上の追究は控え。一先ず体調を崩しているわけではないと分かれば密かに胸を撫で下ろし、相手の説明に相槌を打って。確か上司というのは社内で相手よりも立場が上であり、指示や指導をする存在だったと記憶している。自分達ペットになぞらえて言うならばドッグトレーナーが近いのだろうか。そして先方は、と考えている間に有給というワードが出ればひとつ瞬き、一旦思考に区切りをつけて。「そうか。それなら、休日は存分に羽を伸ばすといい。」連休中はずっと一緒、という言葉にも無論惹かれるものはあるのだが、今は相手がゆっくり休養できることに対する安堵の方が大きく。休みの間、たまには手足となって彼の世話を焼いてやるのもいいだろう。そう心の中で計画を立てつつ応答して。肩に乗せられた重みと体温が心地好い。ふわふわと浮つくような感覚は酒に酔った時のそれに近いのかもしれない。そんな漠然とした感想を抱いては、呑んだこともないのに、と胸中ひとりで苦笑して。しかし飼い主と共に過ごす穏やかな時間はじんわりと温かく、確かに心を満たしていった。つい緩みそうになる口を引き結び、目を伏せて下唇を噛む。バレないうちに視線を戻すと彼が凭れているのとは反対側の腕を伸ばし。相手の頬を親指の腹で撫で、顎へ滑らせるように触れてから手を離す。自分にとっては親愛を伝えるための、元の姿の時に体を擦り寄せるのと変わらない行動なのだが、些か唐突だったか。間を埋めるために出した話題も急であるように感じられ。内心歯噛みしては、ほんの少しの沈黙を挟んで再び語りかけ。 )
こうして座っていると眠くならないか。……。いや、眠る分には構わないんだが、そうではなく。こと癒すという面においては、あちらの姿の方が適しているだろう?こちらのままでいいのか、退屈させてはいないかと気になってな。
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