Wanna be mine / Decided　

――驚いた。
俺の書斎を訪ねる者など、もう居ないと思っていた。

正直、返事に迷ったのだ。
お前が此処を見つけてくれた事には紛れもなく歓喜したが――同時に俺は、相性の問題で先代の副官に別れを告げた身。お前にもかのように辛い思いをさせるかもしれんと思うと、二つ返事というわけにはいかなかった。
そうして躊躇っていたのだが、言葉尻から滲む謙虚さと、それに負けぬ熱量に、俺の心はまた射抜かれてしまったようだ。

お前の思うよりずっと、俺は不甲斐ない少佐だ。
其れでも良いのなら、このまま下げ進行でお前と新たな物語を紡ぎたい。

以上が俺の素直な返答だ。
最後まで目を通してくれたのならば感謝を。心変わりしたのならば、返事は要らん。
お前の武運長久を心より祈る。