鬼少佐 2020-01-26 17:57:08 |
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俺は…殉職されたと聞く前任の副官を忘れる為に配された駒の一つだと思っていたから、少佐が俺に気持ちを傾けることなんて一生ないと思っていた…。( 人から好意を向けられることに慣れていない未熟な器は甘やかな熱を注がれるとあっという間に容量に達し、例えるなら表面張力によって少しの刺激でもゆらゆらと不安定に揺れる水面のよう。好きだ、という言葉が鼓膜に触れると無意識に蓋をしようとしていた想いが堰を切ったように溢れ出し。嫌なら――という貴方の言葉を最後まで待たずして身体が勝手に動いていた。足の間を埋められ、顎を掴まれているとは言え上半身が全く動けないわけではない。足を入れられたことでより密着する形となった上体を衝動のまま前傾に、グッと首筋を伸ばすだけ。それだけで貴方に触れられる。熱いと言われた唇で重ねるだけの口付けを、ほんの一瞬。「 どうしよう……貴方からの言葉が嬉しくてたまらないんだ…。」唇を離し、貴方の瞳に素直な心境を漏らせば、そのまま額をコツと合わせ、もっと触れたいという欲求を落ち着かせるよう閉じて。「 俺は…貴方だけがいい。ガウェイン少佐以外のものになりたくないし、貴方にも俺以外見て欲しくない…。」他の誰に言われたとしても、こんなにも強く渇望する事はなかったであろう想いを吐露し。 )
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