鬼少佐 2020-01-26 17:57:08 |
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自分でも愚問だったと思っている… ( 問い掛けに問い掛けで返されたのはゾクリと背筋に仄かな痺れが走る程色っぽく低い声。精悍な顔立ちに含みを持った笑みからは問題の答えを知っていながら此方の出方を窺う意図が感じ取れ返答に詰まる。「 貴方…分かって言ってるだろ…? 」元帥曰くの夜の相手は元より先のような突然の抱擁を――と改めて口にするには羞恥がじわじわと広がり、誤魔化し隠そうとする意気は上目遣いに貴方を見据えることで成し遂げる。両手に力を込めてしまったと悔いる間もなくその手が払われたかと思えば気付いた時には扉を背に貴方と対峙する形になり。自意識過剰だと己を嘲笑う自身がいるも素早く結構な勢いがあった割に背中にも手首にも痛みがなく、加減してくれているのが分かると大事にしてもらっているようで面映ゆく。試すような口振りとは別に熱の籠った眼差しからは戯れや偽りの気配が感じられず目を逸らすことが出来ない。自分でもこんなことを聞いてしまうのは愚問だったと思っている――思っている「 けど…その目はズルい…。」期待してはいけないことまで求めてしまいそうで、それは必ず貴方を困らせる結果になると予期しているからこそ切なさに瞳が揺れる。「 ガウェイン少佐、貴方の副官は思いのほか分を弁えない単純な奴かもしれないぞ。」元から抵抗しようなどという気は毛頭ないが、掴まれている手と言わず全身の力を抜いて自分に呆れるように深呼吸に近い溜め息をつき。 )
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