鬼少佐 2020-01-26 17:57:08 |
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……未だ信じられん。お前のは無意識だろう?一層タチが悪い( 浮つく気分を落ち着けようと貴方から目を逸らしたまでは良いものの、その愛しく甘い表情は何度も脳裏に去来する。その残像を振り払うことなど貴方に惹かれる己には到底不可能で、そこへ追い打ちとばかりに貴方の体温が手に重なる。岩のように硬い拳は僅かに強張るが、それは貴方に触れられた喜びや緊張などと可愛いものではなく、手だけでは足りぬと貪欲に貴方を求めようとする本能を必死に抑制しているが故。「 ――こういうこと、とは? 」意地の悪さが顔を覗かせるのも、全ては愛しい貴方の反応を見たいが為。ニヒルに片方だけ口角を吊り上げ、火照った貴方の頬を指先でなぞり「 肌が熱い。蕩けそうだ 」知らず口から漏れた感想は本音そのもの。ふと自身の手を握る力が強まるのを感じ取れば、貴方の切実さがそこから伝わってくるようで、自身の腹の奥からも熱が湧き上がる。不意に貴方の手を素早く振り払うも、それは離れるためではなくむしろ逆。自由になった手で貴方の手首を掴めば、白兵戦のように巧みに二人の位置を入れ替え、貴方の背を扉に押し付け追い詰めて「 俺にはお前だけだ。…そう言えば、お前は信じるのか? 」手首を痛めないように気を遣いながら、それでも力強く貴方を捉えたまま、灼熱を宿す視線で射抜くように見つめて )
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