鬼少佐 2020-01-26 17:57:08 |
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どんな顔か想像に難いが、わざわざ命令なんてしなくても…普段のように装えないのはガウェイン少佐の前だからに他ならないんだが…。( 鬼気迫る様子で穏やかでないことを言う少佐の、サーベルを撫でるその手を慌てて両手で包むように諫め『待った』を掛ける。抱き締められた後の惚けた頭では後半部分はボソボソと歯切れ悪くしか述べられず。最初は一瞬、何が起こったか理解が追いつけないで目をパチパチと数回瞬きを繰り返し。力強い腕、布越しの体温、息遣い、髪とも肌ともつかぬ香りに貴方の全てが間近に感じられ――「 …っ!? 」息を呑む声は声に成らず、身体中の血が一気に巡って触れた処から熱と鼓動が伝わってしまうのではないかと狼狽する。命令、と言われれば条件反射で耳に意識を集中させ。荒々しくも熱情を傾けられたその言い方はまるで己に執着心を向けられているようではないかと浮わついてしまう。自分は副官とは言え部下の一人…そう、一人に過ぎないのだと自らを律すると同時にチリリと胸の端に火傷のような疼きを感じ。「 少佐には…その、こういうことをする部下が他にも? 」自分でも何を聞いているんだと苦笑したくなるがそれでも…聞かずにはいられない。その熱情が自分だけに向いていれば良いのにという浅はかな欲を腹に秘めつつ真意を探りたいと、視線を落とし重ねる両手の力を知らず知らず強めて尋ねてしまい。)
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