匿名 2019-12-24 20:57:21 |
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(店に入ると美しい少年に迎え入れられた。人間なのかそうでないのかさえわからない相手に警戒以外の何物でもない感情を向ける。だが、自分よりもずっと小さく白い手にそっと手をとられると、拒むことも出来ず、ただ壊してしまわぬように体を強ばらせた。相手の美しい赤色の髪と優しげな瞳を見ているうちに、少しずつ体の緊張が抜けていく。どこか浮世離れした少年にされるがままに付いていくと暖かな暖炉が灯る部屋へと案内され、柔らかな布を掛けられれば、びくりとして少年を見遣る)
「……………。私は………いや、その前にお前は何なのだ。……人、ではないのか。」
(唇が言葉を紡ぐ為に何度か音もなく開閉される。だが、暫くして声を発すると同時に無くなり始めていた警戒心が頭をもたげ始める。優しげな笑顔、愛し慕われ、今も愛し続けるしかない人間によく似たその容姿に話して良いものかと眉間に皺を寄せながら、笑顔を湛えた顔を見て)
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