匿名 2019-11-28 10:23:00 |
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>>ジャック・ザ・リッパー
(白い無機質な廊下、奥に広がる広い奥行き色合いだけでも冷たさを感じるのだが当の本人はそんな事など知る由もなく小さな体躯をフル活用しながらその場を走り回っている。すぐ側で付き従うのは同色の毛並みを揺らす愛らしいマスコット的存在であるフォウ、短い足を懸命に動かしながら幼女さながら素早い動きを繰り出すアサシンに引け目をとらず華麗に飛び跳ねては愛くるしくも鳴き声をあげる、「…おかあさん何処にいっちゃんたんだろうね。」おかあさんと称した己がマスターの姿を探し大きな瞳を忙しなくきょろりと動せば後ろを振り向くことなく目の前の道を我武者羅に進んでいく。早く早く彼を見つけなければ、何故なら彼との昼食の時間が刻々と迫ってきているからであった。普段英霊とは特に食事を必要としない…いやしなかった筈なのだがこの所毎日連れられる食堂にて見様見真似で始めた食事に確かな美味しさを知ることとなってしまったのだ、「…お腹すいたよぉ。」鳴り響く小さな虫はそんな声を掻き消した。)
>>アスクレピオス
「嗚呼、怪我人でも患者でも、何でもいい…珍しい病気でもいいなにか。…ちっ、この施設内で流行病でも流行ってしまえばいいんだ。」
(一人の医者は暇を持て余していた。この所怪我人も運ばれず唯一の人間ともとれる人物は最小のスタッフと己がマスターのみ、それに魔術が存在するこの空間でなかなか患者として自身の元を訪れる人物は皆無として存在していなかったのだ。人が少ない昼過ぎの食堂にて手にした医療学の分厚い本と苦めに入れられた珈琲のマグカップを傍らに深く腰掛ける椅子に体重を掛け呻く様な悲痛の声を上げながら上記を呟いており、何度も何度も読み返してしまった書物にもう興味が湧くことも無く不機嫌なオーラーを撒き散らしながら何度も舌打ちを繰り返していた。もっともっと自分にも難解な、なんとも不可解な病気を死を伴う程に入り組んでしまった体の腫瘍を取り除きたい。メスを握る衝動を無理やりに押さえ込もうと手にしたマグカップの中身を全て飲みほし苦味で落ち着いてきた苛立ちを振り払おうと書物を手にし図書館への道のりへと立ち上がり足を向けた。)
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