匿名 2019-11-28 10:18:16 |
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「嗚呼…如何したマスターよ、そんなに私の名を何度も呼ぶとは親鳥に付く雛のようだな。そんな愛い事をせずとも愛でてやるというのに…、」
(神妙な面持ちで何かを思案しながら目前を歩いていった彼から零れる自身の名に、鬱々と外を見つめていた眼は主人へと注がれる。何度も名を呼ぶその姿は頭を垂れしっぽを振り撒く愛犬さながらの愛嬌を含め、何故か驚いた表情を浮かべる彼に目を細め両手を広げた体制にて声を漏らし。この腕の中で師匠と尊敬の眼差しを浮かべる主人をこの身体全てをもって包み込み、感じることの少なかった暖かな体温を実感したい。頬に掛かった長く艶のある紫の髪を揺らめかせ恥ずかしがり屋な彼をその腕へと閉じ込めるとその柔らかな弛みを持った黒髪を数度撫でやればとそっと耳へと口を寄せ「そうだ…私が貴様の師匠であり、唯一の槍である。」傲慢に主人の命一つでこの世界の全てを貫いてやろう、低く呟かれた言葉を最後に不敵な笑みを浮かべていた。)
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