義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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( 彼に案内されて室内へと入れば己が普段暮らす部屋とは全く異なる空間が広がっていて。しかし質素だとかお粗末なんて思わない。むしろどこか落ち着いていて城では窮屈で息が詰まる気持ちだったがそれも無くて。「 いいところだな…。…ありがとう。貴方が作ってくれるものなら何でも嬉しいよ。 」部屋を見回し思わずそう呟けば、彼がソファに導いてくれて。洞窟に行った格好のまま座ってソファを汚してしまわないだろうかという躊躇いはあったが彼は気にしていないようなので有難く座らせて貰い、持ってきてくれた飲み物を礼を言って受け取る。彼もずっと動きっぱなしで疲れているはず。それなのに此方を気遣ってくれるのに申し訳なく思いながらも夕食をお願いすれば暫く背筋を伸ばしてきっちり座っていたが、台所から聞こえてくる心地よい調理の音に段々瞼が重たくなってきて。どうやら思いの外、疲労がピークに達していたらしい。鼻腔を擽るいい匂いに食欲をそそられつつも睡眠欲がそれを上回り段々ソファの背に身体が傾いていき。折角相手が調理をしてくれているのだ。それに先に寝るなんて失礼すぎると睡魔に抗ってみるも相手の匂いに包まれた空間が安心感を与えて睡魔に拍車をかければポスリとソファの背凭れに身体を預けてそのまま重たくなる瞼を閉じて眠りに落ちて )
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