義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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( 彼の転移で病院の屋上へと到着すると其処は火の海。赤い炎が屋上を埋め尽くし熱気に包まれていて、立っているだけでも肌が軽く焼ける感覚がして。そして猛火の中心にいる問題の上級魔獣はゆうに5メートルを超える体長。鋭利な爪を持つ四肢と頑丈な体、鋭い牙を合わせ持ち、魔獣が吠えるだけで周囲が空気と共に振動して精神を震撼させるだけの圧を持っていて。子供は魔獣の背中の上。既に気絶していて意識はないのか動いていない。だが無事なのは確認できて安堵するも気は抜けずに。「 …ギルス今日は風が強い。移り火に気を付けたほうが良いかもしれない。 」魔獣を前にして恐怖はあるものの今は子供と街の住人の命が先決。物怖じなどしていられないと、周囲への火事などに二次災害を気にしては彼に告げつつ魔獣に視線をやり。その時あることに気付く。それは此処に来る前に感じていた違和感を解くもの。いくら上級魔獣でも彼も関与した強力な結界を解くのはおかしいと思っていたのだ。「 ……召喚魔獣。 」そう上級魔獣の左足の爪の先、かなり分かりづらいが其処には使役の証であるリングがついていて。それは人間が魔獣を捕らえて使役して自分の思い通りに動かせる主従する道具の1つ。当然見るのは初めて。ただ知識として知っていただけ。ただこの魔獣が召喚魔獣ということは使役者が近くにいるはず。「 ギルス…、 」きっと彼も気付いているはずなのでどうするか声を掛けようとしたとき、魔獣の目が此方に向けられギラリと光る。狙いが己に向けられていると分かると身体が恐怖で硬直するが剣を抜いて咄嗟に構えて。子供に怪我を与えずに…そう考えながら向かってくる魔獣に目を向けるもどう考えても己だけで対応できるレベルではなく、彼がどう動くか横目に一歩後ろに下がり剣を握る手に力を込めて )
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