「主」 2019-11-24 22:36:01 |
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『やだ、ニキビできてる』
(ご主人様の愛らしい声を聞いて、ふわりと意識が覚醒した。鞄の中に綺麗なネイルをあしらった長い指が忍び込み、私の体を優しく手に取る。途端、眩しい世界に引き出されたので、思わず同じだけの眩しさの光を返してしまい。ご主人様が目を細めるのを見て、ごめんね、と笑いながら彼女の手の中で角度を変えた──ほら、これなら眩しくないでしょ。
見る限り、ニキビは確かにご主人様の小さな顎にできていた。しゅんとあからさまに落ちこんだご主人様の可愛さったらもう、たまらなくて。でも、でもそれ、思われニキビって言うんですよ、知ってますか、そんなに悪いことじゃないんですよ。そう伝えたくて、チカ、チカ、と、彼女の手の中で小刻みに角度を変えて柔らかな光を投げかけ。)
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