図書委員長 2019-11-24 02:38:36 |
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その通り、俺は逃げて変わろうとも、関わろうともしなかった、自由になるために自由を捨てたとした。
だが、自由を諦めてなぞいない。
雁字搦めになると解くのに時間はかかる、道理だ。
それがなんだと言う、この調子で行くならきっと俺は。
……成人するまでには、役目を終えれるハズなんだ。
名を残して去る、桐島三郎……いや、桐嶋左武郎は、そうあると決めた。
きっと、俺は物語を描くことが好きなんだろう。
きっと、俺は好きなことをしたいんだろう。
きっと、俺は今まで感情を押し殺して来たんだろう。
……自由に生きる事を、あまり知らないんだよ。
桐嶋左武郎という人間は。
(本末転倒だと、それは分かりきっている。
自分のことは自分がよく知っている。
それでも彼は自由になりたかった。
その意思を示すと、爪を立てる彼女を優しく押し返すと、
苦しげな微笑みを見せる。
自分はきっと知らない内に苦痛を溜め込んでいたのだろう、耐え難いものを、自分の自由を殺すことで耐えてきた。
人と関わると、それが決壊してしまうから関わらなかった。
……だからこそ彼は、自由になった後、三年後に全てを託していて、今を捨てている。
______彼の言い分は、酷く矛盾していた)
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