《 彼岸花 》管理人 2019-11-08 20:09:52 |
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>縣
若いのに可哀想だねえ。こんな人権ゼロの病院にぶち込まれたのが運のツキってやつだ……しょうがない、今日は先輩が特別に助けてやろう。
( 特性上この狭苦しい建物で目にするのは諦観や憔悴、悲哀といったどこか褪せた表情ばかり。それだけに相手の目一杯の慌てっぷりは酷く色鮮やかに映り、哀れみの言葉とは対照的にくっくと喉を鳴らして笑えば愉快な心地のまま緩く手招きをして。その拍子にふわりと鼻先へ舞い上がってくる甘い芳香、自身の体を蝕む花とは違う蕩けるような匂いに動かしかけた足を止めては今一度相手を振り返り「……別に取っ捕まえて食ったりしねえよ、"俺は"」ある意味脅かして連れ去ろうとはしているけれど、別段悪意や他意は無い。それを伝える目的が半分、そして彼の病と時折触れる二の腕、そこに潜んでいそうな暗い因果をつつく目的が半分の言葉を歪んだ唇で添えて )
>継
──な、憧れたって結局はそんなもんだよ。煙草は不味い、大人は汚い、キスだってロクなもんじゃない。手に入らないものは何でも綺麗に見えるだけ……すっぱい葡萄だっけ?
( まるで未来を望むような、少なくとも今の自分にはそう聞こえる呟きはひとまず聞こえなかったふりをして手ずから煙を吸わせ続ける。己の毒は確かに彼の中に留まっている、そんな手応えを錯覚させる一時は小さな咳とぼやきによって終わりを迎え。珍しく、と言えば失礼だが可愛げのある反応に口角を吊り上げながらもハミングのように紡ぐ言葉は未だに柔い毒を孕んだまま。読書家の彼へ伝わるようにと選んだ言葉はどこかずれている気もしたが、まあ構いやしないと宝石のような髪をくしゃくしゃと撫でて誤魔化し「存分に甘やかされてりゃいいよ。嫌ったところでそれが治る訳じゃなし、そのほうが幸せだろ」"それ"という響きに合わせて瑠璃色の頭をぽんと叩き、囁くのは先程相手が嫌いと零した歪の話。拒もうが受け入れようが行き着く先は皆同じ、ならばと思考停止めいた慰めをあくまで善意として勧め )
>シアン
……未成年の喫煙は法律で禁止されてます。黙っててやるから火ぃ貸して。
( ニットに絡みつく花をつまんでは足元へ散らし、暗い廊下に赤い跡を残しながら彷徨う。夜間の嘔吐には慣れたつもりでいたが久々にぶち撒けた。濡れた花弁は疎ましくへばりつき、途方も無い作業に"死んだほうがよっぽど手軽だ"と希死念慮が首を擡げるもふと流れ込んできた煙草の匂いに気が削がれ、自身もポケットに入れていた一本を咥えつつ誘われるように庭へと向かい。月光に照らされたマネキンのようなシルエットを捉えては挨拶もそこそこにふざけた一言を。無論法や健康など毛ほども興味は無く、それを示すように薄っぺらい笑みを浮かべて歩み寄れば「お兄さん今手ぇ塞がってんの」と両手につまんだ薔薇の花弁を言い訳にライターの火を強請り )
(/初めまして、美しく歪んだ息子様に恐れ多くも絡ませていただきました…!初回から図々しい態度で申し訳ありませんが、不愉快でしたらいつでもご指摘ください。どうぞよろしくお願い致します!)
>るい
痛って。はは、怖えー……わかった。次に俺がるいくんを怒らせたら、噛むなり喰うなり好きにして良し。お兄さんとの約束だ。
( 噛まれた痛みは柔らかく霧散してしまい、直後に触れた体温のほうが鮮明に感じられる程で。それでも痛いと眉をひそめてみせるのは自分なりのささやかな謝罪のようなもの。牙を立てたかと思えばすぐに頬を寄せてくる、そんな仕草をまるで猫だと見下ろしては青白い肌を包むようにひたりと手のひらをくっつけ、そこに浮かぶ赤い痕を親指の腹でそっと撫で。泣き痕と呼ぶには痛々しい、微かに腫れた傷をなぞりながら楽しげな提案をひとつ。しかしふっと口を閉ざして視線を無垢な瞳へ移すと、その奥底へ語りかけるように深く見つめて「──でもどうせ、次に会った時にはぜーんぶ忘れてる。俺を噛んだことも、俺との約束も、るいくんは全部忘れる。…あぁ、"もくもく"と違ってこれは本当」噛んで含めるように、けれど子供騙しではない粗雑に掠れた素の声で彼自身が理解していない彼の病を仄めかし )
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