《 彼岸花 》管理人 2019-11-08 20:09:52 |
通報 |
>るい
……人聞きの悪いこと言うなよ。俺にとってはちゃーんと甘くてふわふわなの。大人の味覚ってやつ?
( 上手く罠に引っかかってくれた相手、思惑通りとはいえ想像以上に咳き込み苦しむ様子に"あらら"だの"大丈夫?"だの軽い配慮の言葉が漏れるが、視線が行くのはその足元ばかり。これほど煙たいのだから、これほど噎せ返っているのだから涙の一粒や二粒溢れたとしても不思議ではなく、期待しているのか案じているのか判別もつかないまま彼の様子を見守って。どうせならば泣いて泣いて寿命一年分ほど星の粒を零せば良い、そうすれば共に仲良く死.ねるのに。そんな欲望は落ちた煙草と一緒にくしゃりと踏みつけ、酷く冷たい眼差しに言い訳を。ささくれた瞳が堪えないのはどれほど嫌われても憎まれてもそのうちケロリと忘れてしまう、という悪い甘え故で「まあでも、今のはお兄さんが悪いな。怒った?」機嫌を取るように腕を伸ばせば細い髪を撫でようとして )
>継
きったねえ大人になんかならなくていいよ、綺麗な子どものまま死にな。──瑠璃くんにはそのほうが似合ってるって。
( 柔らかな笑みが語る、その表情に似つかわしくない仄暗い運命を甘ったるい声音で肯定しては既に象徴となりつつある鉱石の名で彼を呼び。"死"という胸がひやりとするワードさえまるで美しく相応しいものであるかのような口ぶりで押し付けると、再び煙草を吸う素ぶりで吊り上がっていく唇を隠し。他の患者より早足で死に行く己だからこそ、誰かが死へ近づく兆しが見えれば黒く濁った安堵と愛おしさが背筋を這い上がってくる。繊細な顔立ちに滲んだ自嘲の色を残った片目でじっくり味わえば、今更煙草の一本などどうでも良いと上機嫌に差し出して「これ、最後の一本なんだわ。ファーストキスの相手がこんなお兄さんで可哀想だねえ。まぁ、キスって言っても間接だけど」曰く13歳のままだという少年、おそらくまともに色恋沙汰も楽しんだ事がないだろうと勝手な予想を描きつつ、同じ目線までしゃがみこみ吸いさしの煙草を彼の口元に寄せて )
トピック検索 |