あんたにお礼言われる筋合い無いし。 ま、でも気持ちは受け取っとくから。 (その時。さらり、とそよ風が吹き抜け、口許だけが微笑む彼の前髪を浚って。先程までずっと覆い隠されていた二重瞼の大きな瞳は陽の光に照らされ、美しいコバルトブルーの光を放っては妖しく煌めき)