発起人 2019-10-19 14:17:28 |
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なんの才能もない男子生徒がなぜ唐突にバンドを始めようとしたのか。
それには理由があったのです。
一年の時の三月。
彼はとある生徒が次の冬に入る前には親の仕事の都合で海外に引っ越さなければならないことを知りました。
突然のことに彼は動揺を隠せず、その場を誤魔化すようにして逃げ去りました。それからその生徒を避けるようになります。嫌いな訳では無い。それでも去年には同じ大学に行こうぜ、と約束していたぐらいに親しかったその生徒が猶予はあれど半年程しか居られないことにどうしていいのか分からなかったのだ。
そして四月。彼は決意をした。
「バンドする」ことを。
生徒だけで構成されたバンドで曲を作り詩を付けて、もうすぐ居なくなるその生徒のために、その生徒に歌を贈ろうと。
期限は今年の秋にある文化祭。
そこでバンドの曲を生徒のために披露しようと考えた。
一人の男子生徒の突飛もないそれは、後に学校の歴史的な感動物語を記すことになる。
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