三丁目のミケネコさん 2019-10-09 00:25:06 ID:9a01706f8 |
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(身体が軽い、心も跳ねるように気分がいい。普段なら妬ましいと睨みつけていた太陽の煌々とした日の光も肌を焦がしていく熱さも全て自分を祝福している一部に思えてしまう、先程継子である彼女にも『…何かいい事があったのですか?』と問われたが、その問いには満面の笑みで…内緒です。としか答えなかった、何故ならこの幸せ全てをまだ今だけは独り占めしていたかったから。見事な羽をチラつかせる蝶の舞を堪能してそろそろ彼が起きてくる時間帯、肩に止まった1羽のそれを引き連れて踵を返す。「はーい、おはよう御座います。よく眠れましたか?」と普段通りの何気ない質問を投げ掛けて、彼の目の下の隈へと目線を落とすも流石に昨日の今日じゃあ…と仕方なしに微笑みかけて。実の所は自身も眠れて居ないのもあるがそれでも自然と心は満たされている、ふと肩の蝶が離れていく咄嗟に伸ばしてしまった手は空中に投げ出され薄紫色の帯を揺らしながら顔を掠め其れは彼の手元へと降りたった。
「─────お裾分けです。」先程見ていた庭園の景色を見せてはやりたいが彼の今の足ではあそこの距離まで到底いけやしない、そんな彼にもこの蝶だけは見せてあげたかったと得意げに言い放つ。)
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