三丁目のミケネコさん 2019-10-09 00:25:06 ID:9a01706f8 |
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(音がした────ドクン、と。これはきっと自分の心臓の音だ脈を打つ音いつもは聞こえないその心音が今この時だけは酷く大きく聞こえてくる。耳を塞ぎたくなる自身の口から発せられる言葉さへも遮る程に鳴ることを辞めやしないそれを服の上から押さえつけようと力強く隊服の胸部分を握り占めて、彼のその悲しそうな顔にさへ明らかな動揺を見せてしまった。「…あらあら。大丈夫ですよ、炭治郎君達を置いて私が何処に行くと言うのですか」淡々と全集中の呼吸で心臓など無理やり沈ませてやった、自覚をしろ胡蝶しのぶ、柱として使命を果たせ。と冷たい言葉だけを言い聞かせてお得意の笑顔を向けてやる「───それに、今君がみたのは夢ですから。」一線を引く物言いに握っていた手をやんわりと解き手元の蝋燭の光を吹き消した。ぼんやりとした明かりも消え辺り一面に夜の闇が広がる室内であたかも自身の存在を隠すように距離をとり、「その夢はもう忘れて下さい。それに私なんかを守ろうだなんて…炭治郎君には禰豆子さんがいるではないですか。」そんな、彼の決意さへも蔑ろにする己は何とも非道な奴か。自身が守りたいのはきっと彼の…竈門炭治郎の太陽みたいな眩しい笑顔だけなのに、)
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