___ 2019-08-15 09:54:57 |
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>桔梗(>16)
嗚呼、覚えててくれたのか。驚いたよ、妖の世界には"おかえり"も"ただいま"も無いなんて( 切れ長で涼し気な美しさを持つ瞳を逸らされてしまえば、名残惜しそうに少々苦い微笑を浮かべて。種族が違えば文化も違う、彼と暮らし始めてからはそんな新鮮さが生活を彩っている。けれど「 寂しくないのか?…嫌、流石に愚問か 」人間の価値観で問うたその感情を、彼は持ち合わせているのだろうか。推測の中で弾き出した答えは否、故に自嘲気味に被りを振って「 勿論在ったよ。__楽しかった 」ごろごろと喉を鳴らす仔猫を愛でながら、幼少期に思いを馳せる。それに引っ張られる様にして思い起こされたのは、目の前の彼には話していない己の良心の過去。トラウマに引き摺られない様に器用に微笑を浮かべ、同じく仔猫の頭を撫でる相手の腕に優しく仔猫を渡して「 嬉しい事言ってくれンじゃねえか。料理の腕を褒められる事より、アンタみたいな妖怪が人の手料理を美味いって感じてくれる事のがよっぽど嬉しいね 」張り切る様に袖捲りをしながら台所へ向かおうと踵を返し、はたと思い付いたように首だけで振り返り )桔梗、何が食いたい?何でも良いはナシだぞ。
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