将校 2019-08-11 16:06:02 |
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( こうして二人並んで他愛もない会話を交わしていると、まるで昔に戻ったかの様に錯覚してしまう。新人兵だった頃は毎日の様に共に訓練で汗を流して空腹で食事に有り付き、目標に向かって必死に生きていた。元から得意とする分野が正反対だった為、階級が上がるに連れて自然と歩む道は離れ、気が付けば相手と過ごす時間も格段に減っていた。しかし相手は常に自分を気に掛け今日の様に顔を出しては連れ出してくれるのだ。唯一気を許せる存在であり、正に親友と呼ぶに相応しい男、隣に座る相手のその様子を横目で見ては此方も表情を緩めて笑い。相手と居る時だけは普段よりも幼い表情を覗かせつつ、軈て目の前に出された鰻の重箱に期待の眼差しを注ぎ。高級そうな漆塗の蓋を開け甘塩っぱいタレの香りに誘われる様にして早速手を合わせて、相手に続いて鰻を口へ運ぶと『 ___ん、美味い 』と。 )
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