佐伯沙弥香 2019-08-08 02:51:35 |
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(──春、4月
わたしは遠見東高校に進学した
自宅から遠くなく偏差値もそれなりに高い
両親に志望動機を聞かれたとき、リベラルで生徒の自主性を重んじる校風が気に入ったようなことを話した
両親はわたしの希望を受け入れてくれたけれど、もう少し上を目指せるのではという思いは隠せないような気がした
わたしは……
本音は、先輩さえいなければどこの高校でもよかった
積極的でない動機で選んだ学校だったし自惚れていたわけではないけれど、新入生で成績トップの生徒が選ばれる新入生代表挨拶が自分でなかったことには少し驚いた
中学生レベルでいくら成績優秀でも井の中の蛙だったということなのか
それとも……
手痛い失恋のダメージで落ちたモチベーションを回復しきれないうちに受験に挑んだせいなのか
いずれにしても今まであまり見たことがない自分より成績が優秀な生徒がどんな人なのか少しだけ興味があったし、すぐに追いついて追い越してみせるというライバル心もあり、新入生代表として呼ばれた生徒の名前を胸に刻む
ななみとうこ
同じ女子ということを少し意外に思い、その生徒が席を立ち一人壇上に歩いていく姿を目にとらえたとき今まで感じたことのない衝撃を受けて、しばらく彼女から目を離すことができなかった
彼女が壇上で発する形式的な言葉は耳に入ってこず、彼女の一挙手一投足、黒く長い美しい髪の揺れるさまを放心したように見つめて
挨拶を終え席に戻る彼女が視界から外れるまで瞬きも忘れたように見つめ続けた
一体、この心の揺れはなんなのか
式が終わるまで考え続けたけれどその答えは出ず
入学式が終わり教室に入ると
彼女──七海燈子はそこにいた
喜ぶべきことなのか、それともそうでないのか
今の自分には知るよしもないことだった)
(/小説を読んでいる途中なのでこんなふうになってしまいました
直接は絡みにくいと思うので心情だけで止めてもらえれば次レスから初めて言葉を交わすシーンを入れますね
改めてよろしくお願いします)
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