(一礼して大きな鳥居をくぐり手水舎の前で立ち止まると、薄浅葱色で花七宝柄の手拭を袂から取り出し濃紺の帯に差し入れ、柄杓を一つ手にしては手水を掬い決まった通りの所作を行って。濡れた口元と手を拭いつつ奥へと進むも砂利道を下駄で歩くには心もとなく、石畳へ移動すれば左手に屋台を眺めるかたちで本殿を目指し。ふとある物に視線が止まり、湿った手拭を袂に突っ込みながら石畳から外れ)